【ゆめむし】

【ゆめむし】
春の日差しを感じる頃になりますと、どこからともなく蝶が舞い始めます。
蝶は「夢虫」とも呼ばれます。荘子の説話の『胡蝶の夢』に由来しているそうです。
夢の中で自分が蝶であったのか、自分は蝶で人間の夢をみたのか・・・
蝶は夢と現の間を行き来します。

アメリカの精神科医で『死ぬ瞬間』の著書で有名なエリザベス・キューブラ・ロス博士は、蝶 を「いのちと死」を結ぶイメージとして表現しています。

死とは、からだに閉じ込められた「たましい」が自由になれることだと言います。それは、さ なぎが殻を破り蝶になり自由に飛びまわる姿のイメージでした。

春の光の中を舞う夢虫は、愛しい人がたずねて来てくれた姿なのではないでしょうか。

*ロス博士の『ダギーへの手紙』を本のコーナーで紹介しています。(M)