先日、宇宙飛行士の野口聡一氏が自宅待機のこの状況について、宇宙船に乗っているのと同じだと表現されていました。話す機会がない、食べたいものが食べられない、行動範囲が限られるといったところで共通しているとのことでした。そんな中で大切なのが「ルーティーン(規則正しくすること)を作ること」「目の前のできることをする」だそうです。野口氏は毎朝起きた時に身体を動かすというルーティーンを自分で決めて実行していたそうです。
「話をすることで少し楽になる」「自分だけだと思っていたのに、同じような人がいた」と参加されたご遺族さまが思えることは遺族会としての大きな役割のひとつだと、わたしたちスタッフは考えています。聞いてくれる相手がいるということはとても大切なことです。しかしそれができない今、みなさまどうされていらっしゃいますでしょうか。きっと頭の中を同じ考えがぐるぐる回るだけでそこから抜け出すことさえできず、お辛い思いをされているのではないでしょうか。
そこで、「誰かに話す」という作業をおひとりおひとりの中でしてみてはいかがでしょうか?「愛する方のお写真に語りかけてみる」のはもちろんですが、独り言でもよいと思うのです、気持ちをそのまま口にしてみることが大切です。
また文章にしてみるのもよいことだと思います。「文章」と言われると「無理無理」と思われるかもしれませんが、堅苦しく考えなくてもその時の気持ちを殴り書きすることから始めてもよいのです。書くことで不思議と頭の中が整理されたり、時間が経って読み返してみると「ああ、こんなこと感じてたんだ・・・ちょっぴりだけど変わったかもしれないな・・・」と感じることもあるかもしれません。もちろん「全然変わらない・・・」と思うことも大いにあり・・・。文字として具体的に目で見ることによって、自分の思いが浮かび上がり、いろんな気づきが与えられることがあります。また次に誰かに会えた時、それを見てもらって話をすることもよいかもしれません。
たくさん書きたければたくさん、たくさん書けなければちょこっとだけ。決して無理をせずご自分のペースでルーティーンにしてみるのもよいかもしれません。(W.K.)